ビタミンの機能や補酵素等【5回/10年】

臨床検査技師の国家試験ではビタミンの鑑別や欠乏症以外のビタミンの問題が過去10年間で5回出題されています。

ビタミンの機能やビタミンB₆の誘導体であるピリドキサルリン酸がアミノトランスフェラーゼの補酵素となることについての問題が多いので対策していきましょう。

また、ビタミンは化学名を覚えていることが前提の問題も増えているので一緒に対策していきましょう。

第72回臨床検査技師国家試験を受験する方には是非得点してほしい超頻出問題です。

目次

ビタミンのまとめ

今回はその他の部分を中心に覚えていきましょう。

スクロールできます
水溶性ビタミン化学名欠乏症その他
ビタミンB₁チアミン脚気、Wernicke脳症活性型はTPP(チアミンピロリン酸)
ビタミンB₂リボフラビン口角炎活性型はFMN(フラビンモノヌクレオチド)、FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)
ビタミンB₃ナイアシン(ニコチン酸と ニコチンアミドの総称)ペラグラNADの構成成分
LDの補酵素
ビタミンB₅パントテン酸皮膚炎
ビタミンB₆ピリドキシン、ピリドキサル皮膚炎活性型はPLP(ピリドキサルリン酸)でアミノトランスフェラーゼの補酵素(アミノトランスフェラーゼのホロ化に関与)
ビタミンB₉葉酸巨赤芽球性貧血
ビタミンB₁₂コバラミン巨赤芽球性貧血(悪性貧血)構成成分にCo(コバルト)
回腸から吸収される
ビタミンCアスコルビン酸壊血病コラーゲンの生成に関与
抗酸化作用
スクロールできます
脂溶性ビタミン化学名欠乏症その他
ビタミンAレチノール夜盲症、結膜乾燥症視覚の正常化に関与
βーカロテンは前駆物質
ビタミンDカルシフェロールくる病、骨軟化症、骨粗鬆症骨代謝に関与(骨形成を促進)
肝臓で25位の水酸化を受け、25(OH)Dに変換後、腎臓で1α位の水酸化を受け、1,25(OH)₂D に変換
ビタミンEトコフェロール溶血性貧血抗酸化作用
ビタミンKフィロキノン、メナキノン血液凝固障害、新生児メレナ血液凝固因子の生成に必要
※脂溶性ビタミンは過剰症を引き起こす

過去問を解いてみよう!

では実際に過去10年分の国家試験(第62~71回臨床検査技師国家試験)からについて出題された問題を5問解いてみよう!

出典:厚生労働省ホームページ
第66回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-07.html
第67回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-07.html
第69回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-07.html
第71回臨床検査技師国家試験問題および正答についてhttps://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-07.html

ビタミンの機能や補酵素等

1 / 5

第66回 PM37
アミノトランスフェラーゼのホロ化に必要なのはどれか。

2 / 5

第67回 AM43
ビタミン D の 25 位を水酸化する臓器はどれか。

3 / 5

第67回 PM37
ビタミンについて正しいのはどれか。2つ選べ。

4 / 5

第69回 AM44
ビタミン B₆ の誘導体を補酵素とするのはどれか。

5 / 5

第71回 PM36
ビタミンで正しいのはどれか。

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問題が解き終わったら下の解答・解説を読んで理解を深めよう!

もし1問でも間違えてしまったら全問正解出来るまで何度でもチャレンジしよう!

過去問の解答・解説

必要に応じて下記の解説でのビタミンの表から化学名や欠乏症の列は省略してあります。

第66回 PM37
アミノトランスフェラーゼのホロ化に必要なのはどれか。

1.コバラミン
2.ピリドキシン
3.リボフラビン
4.トコフェロール
5.ニコチンアミド

解答:2

アミノトランスフェラーゼは補酵素としてピリドキサルリン酸が必要です。ピリドキサルリン酸はピリドキシン(ビタミンB₆)の誘導体であり、酵素のホロ化(アポ酵素と補酵素が結合して活性型になること)に必要です。よって、解答は2のピリドキシンです。1のコバラミン、3のリボフラビン、4のトコフェロール、5のニコチンアミドは誤りです。

スクロールできます
水溶性ビタミン化学名その他
ビタミンB₁チアミン活性型はTPP(チアミンピロリン酸)
ビタミンB₂リボフラビン活性型はFMN(フラビンモノヌクレオチド)、FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)
ビタミンB₃ナイアシン(ニコチン酸と ニコチンアミドの総称)NADの構成成分
LDの補酵素
ビタミンB₅パントテン酸
ビタミンB₆ピリドキシン、ピリドキサル活性型はPLP(ピリドキサルリン酸)でアミノトランスフェラーゼの補酵素(アミノトランスフェラーゼのホロ化に関与)
ビタミンB₉葉酸
ビタミンB₁₂コバラミン構成成分にCo(コバルト)
回腸から吸収される
ビタミンCアスコルビン酸コラーゲンの生成に関与
抗酸化作用
スクロールできます
脂溶性ビタミン化学名その他
ビタミンAレチノール視覚の正常化に関与
βーカロテンは前駆物質
ビタミンDカルシフェロール骨代謝に関与(骨形成を促進)
肝臓で25位の水酸化を受け、25(OH)Dに変換後、腎臓で1α位の水酸化を受け、1,25(OH)₂D に変換
ビタミンEトコフェロール抗酸化作用
ビタミンKフィロキノン、メナキノン血液凝固因子の生成に必要
※脂溶性ビタミンは過剰症を引き起こす

第67回 AM43
ビタミン D の 25 位を水酸化する臓器はどれか。

1.肺
2.肝 臓
3.胸 腺
4.腎 臓
5.副甲状腺

解答:

ビタミンD(ビタミンD₂、ビタミンD₃)は肝臓で25位の水酸化を受け、25(OH)Dに変換されます。その後、腎臓で1α位の水酸化を受け、1,25(OH)₂Dに変換します。よって、解答は2の肝臓です。1の肺、3の胸腺、4の腎臓、5の副甲状腺は誤りです。

脂溶性ビタミンその他
ビタミンA視覚の正常化に関与
βーカロテンは前駆物質
ビタミンD骨代謝に関与(骨形成を促進)
肝臓で25位の水酸化を受け、25(OH)Dに変換後、腎臓で1α位の水酸化を受け、1,25(OH)₂D に変換
ビタミンE抗酸化作用
ビタミンK血液凝固因子の生成に必要
※脂溶性ビタミンは過剰症を引き起こす

第67回 PM37
ビタミンについて正しいのはどれか。2つ選べ。

1.ビタミン A は抗酸化作用がある。
2.ビタミン D は骨代謝に関与する。
3.ビタミン C は視覚の正常化に関与する。
4.ビタミン E はコラーゲンの形成に関与する。
5.ビタミン B6 はアミノトランスフェラーゼの補酵素となる。



解答:

解答は2と5です。
1.(誤)ビタミンAは抗酸化作用がある。(正)ビタミンAは視覚の正常化に関与する。
3.(誤)ビタミンCは視覚の正常化に関与する。(正)ビタミンCはコラーゲンの形成に関与する。
4.(誤)ビタミンEはコラーゲンの形成に関与する。(正)ビタミンEは抗酸化作用がある。

水溶性ビタミンその他
ビタミンB₁活性型はTPP(チアミンピロリン酸)
ビタミンB₂活性型はFMN(フラビンモノヌクレオチド)、FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)
ビタミンB₃NADの構成成分
LDの補酵素
ビタミンB₅
ビタミンB₆活性型はPLP(ピリドキサルリン酸)でアミノトランスフェラーゼの補酵素(アミノトランスフェラーゼのホロ化に関与)
ビタミンB₉
ビタミンB₁₂構成成分にCo(コバルト)
回腸から吸収される
ビタミンCコラーゲンの生成に関与
抗酸化作用
脂溶性ビタミンその他
ビタミンA視覚の正常化に関与
βーカロテンは前駆物質
ビタミンD骨代謝に関与(骨形成を促進)
肝臓で25位の水酸化を受け、25(OH)Dに変換後、腎臓で1α位の水酸化を受け、1,25(OH)₂D に変換
ビタミンE抗酸化作用
ビタミンK血液凝固因子の生成に必要
※脂溶性ビタミンは過剰症を引き起こす

第69回 AM44
ビタミンB₆の誘導体を補酵素とするのはどれか。

1.ALP
2.AMY
3.AST
4.LD
5.γ-GT

解答:

ビタミンB₆の誘導体であるピリドキサルリン酸はアミノトランスフェラーゼの補酵素となります。よって、解答は3のAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)です。1のALP(アルカリ性ホスファターゼ)、2のAMY(アミラーゼ)、4のLD(乳酸デヒドロゲナーゼ)、5のγ-GT(γーグルタミルトランスフェラーゼ)は誤りです。

水溶性ビタミンその他
ビタミンB₁活性型はTPP(チアミンピロリン酸)
ビタミンB₂活性型はFMN(フラビンモノヌクレオチド)、FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)
ビタミンB₃NADの構成成分
LDの補酵素
ビタミンB₅
ビタミンB₆活性型はPLP(ピリドキサルリン酸)でアミノトランスフェラーゼの補酵素(アミノトランスフェラーゼのホロ化に関与)
ビタミンB₉
ビタミンB₁₂構成成分にCo(コバルト)
回腸から吸収される
ビタミンCコラーゲンの生成に関与
抗酸化作用

第71回 PM36
ビタミンで正しいのはどれか。

1.ビタミンAは骨形成を促進する。
2.ビタミンB₆はレチノールと結合する。
3.ビタミンCはコラーゲンの生成に関与する。
4.ビタミンDは血液凝固因子の生成に必要である。
5.ビタミンKはアミノトランスフェラーゼのホロ化に関与する。

解答:

解答は3です。
1.(誤)ビタミンAは骨形成を促進する。(正)ビタミンAは視覚の正常化に関与する。
2.(誤)ビタミンB₆はレチノールと結合する。(正)ビタミンB₆はアミノトランスフェラーゼのホロ化に関与する。
4.(誤)ビタミンDは血液凝固因子の生成に必要である。(正)ビタミンDは骨形成を促進する。
5.(誤)ビタミンKはアミノトランスフェラーゼのホロ化に関与する。(正)ビタミンKは血液凝固因子の生成に必要である。

水溶性ビタミンその他
ビタミンB₁活性型はTPP(チアミンピロリン酸)
ビタミンB₂活性型はFMN(フラビンモノヌクレオチド)、FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)
ビタミンB₃NADの構成成分
LDの補酵素
ビタミンB₅
ビタミンB₆活性型はPLP(ピリドキサルリン酸)でアミノトランスフェラーゼの補酵素(アミノトランスフェラーゼのホロ化に関与
ビタミンB₉
ビタミンB₁₂構成成分にCo(コバルト)
回腸から吸収される
ビタミンCコラーゲンの生成に関与
抗酸化作用
脂溶性ビタミンその他
ビタミンA視覚の正常化に関与
βーカロテンは前駆物質
ビタミンD骨代謝に関与(骨形成を促進
肝臓で25位の水酸化を受け、25(OH)Dに変換後、腎臓で1α位の水酸化を受け、1,25(OH)₂D に変換
ビタミンE抗酸化作用
ビタミンK血液凝固因子の生成に必要
※脂溶性ビタミンは過剰症を引き起こす
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