水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの鑑別【3回/10年】

臨床化学
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臨床検査技師の国家試験では水溶性ビタミン、脂溶性ビタミンの鑑別が必要な問題が過去10年間で3回出題されています。

内訳としては「水溶性ビタミンはどれか。」が2問と「過剰症となるビタミンはどれか。」が1問の計3問です。

「過剰症となるビタミンはどれか。」の問題は水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの鑑別に一見関係ないように見えますが、過剰症を引き起こすのは脂溶性ビタミンになるので鑑別が必要となります。

10年以上前の国試には「脂溶性ビタミンはどれか?」といった問題も出題されているので水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンセットで覚えていきましょう!

第71回臨床検査技師国家試験を受験する方には是非得点してほしい頻出問題です。

水溶性ビタミン、脂溶性ビタミンのまとめ

今回は水溶性ビタミン、脂溶性ビタミンの部分を覚えていきましょう。

水溶性ビタミン化学名欠乏症
ビタミンB₁チアミン脚気、Wernicke脳症
ビタミンB₂リボフラビン口角炎
ビタミンB₃ニコチン酸、ナイアシンペラグラ
ビタミンB₅パントテン酸皮膚炎
ビタミンB₆ピリドキシン、ピリドキサル皮膚炎
ビタミンB₉葉酸巨赤芽球性貧血
ビタミンB₁₂コバラミン巨赤芽球性貧血(悪性貧血)
ビタミンCアスコルビン酸壊血病
脂溶性ビタミン化学名欠乏症
ビタミンAレチノール夜盲症、結膜乾燥症
ビタミンDカルシフェロールくる病、骨軟化症、骨粗鬆症
ビタミンEトコフェロール溶血性貧血
ビタミンKフィロキノン、メナキノン血液凝固障害、新生児メレナ
※脂溶性ビタミンは過剰症を引き起こす

水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンのゴロ

水溶性ビタミンのゴロ(覚え方)

水溶性ビタミンはゴロで覚えていきましょう!

水溶性ビタミンのゴロ”水BiCha(みずびちゃ)

水→水溶性ビタミン
Bi→ビタミンB群
Cha→ビタミンC

脂溶性ビタミンのゴロ(覚え方)

脂溶性ビタミンはゴロで覚えていきましょう!

脂溶性ビタミンはゴロ”脂DAKE(あぶらだけ)
脂→脂溶性ビタミン
D→ビタミンD
A→ビタミンA
K→ビタミンK
E→ビタミンE

過去問を解いてみよう!

では実際に過去10年分の国家試験(第61~70回臨床検査技師国家試験)から水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの鑑別について出題された問題を3問解いてみよう!

出典:厚生労働省ホームページ
第65回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp190415-07.html
第68回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp220421-07.html
第70回臨床検査技師国家試験問題および正答についてhttps://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html

水溶性ビタミン、脂溶性ビタミンの鑑別。【合計3問】

1 / 3

第65回 PM38 水溶性ビタミンはどれか。

2 / 3

第68回 PM29 水溶性ビタミンはどれか。2つ選べ。

3 / 3

第70回 PM37 過剰症を起こすビタミンはどれか。2 つ選べ。

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問題が解き終わったら下の解答・解説を読んで理解を深めよう!

もし1問でも間違えてしまったら全問正解出来るまで何度でもチャレンジしよう!

過去問の解答・解説

第65回 PM38 水溶性ビタミンはどれか。

1.カルシフェロール
2.トコフェロール
3.メナキノン
4.リボフラビン
5.レチノール

解答:

1のカルシフェロールはビタミンD、2のトコフェロールはビタミンE、3のメナキノンはビタミンK、4のリボフラビンはビタミンB₂、5のレチノールはビタミンAの化学名です。よって、解答は4のリボフラビンになります。1、2、3、5は脂溶性ビタミンで誤りです。

水溶性ビタミン化学名欠乏症
ビタミンB₁チアミン脚気、Wernicke脳症
ビタミンB₂リボフラビン口角炎
ビタミンB₃ニコチン酸、ナイアシンペラグラ
ビタミンB₅パントテン酸皮膚炎
ビタミンB₆ピリドキシン、ピリドキサル皮膚炎
ビタミンB₉葉酸巨赤芽球性貧血
ビタミンB₁₂コバラミン巨赤芽球性貧血(悪性貧血)
ビタミンCアスコルビン酸壊血病
脂溶性ビタミン化学名欠乏症
ビタミンAレチノール夜盲症、結膜乾燥症
ビタミンDカルシフェロールくる病、骨軟化症、骨粗鬆症
ビタミンEトコフェロール溶血性貧血
ビタミンKフィロキノン、メナキノン血液凝固障害、新生児メレナ
※脂溶性ビタミンは過剰症を引き起こす

水溶性ビタミンのゴロ”水BiCha(みずびちゃ)

水→水溶性ビタミン
Bi→ビタミンB群
Cha→ビタミンC

脂溶性ビタミンはゴロ”脂DAKE(あぶらだけ)
脂→脂溶性ビタミン
D→ビタミンD
A→ビタミンA
K→ビタミンK
E→ビタミンE

第68回 PM29 水溶性ビタミンはどれか。2つ選べ。

1.ビタミン A
2.ビタミン C
3.ビタミン E
4.ビタミン K
5.葉 酸

解答:

解答は2のビタミンCとビタミンB群である5の葉酸です。1のビタミンA、3のビタミンE、4のビタミンKは脂溶性ビタミンで誤りです。

水溶性ビタミン化学名欠乏症
ビタミンB₁チアミン脚気、Wernicke脳症
ビタミンB₂リボフラビン口角炎
ビタミンB₃ニコチン酸、ナイアシンペラグラ
ビタミンB₅パントテン酸皮膚炎
ビタミンB₆ピリドキシン、ピリドキサル皮膚炎
ビタミンB₉葉酸巨赤芽球性貧血
ビタミンB₁₂コバラミン巨赤芽球性貧血(悪性貧血)
ビタミンCアスコルビン酸壊血病
脂溶性ビタミン化学名欠乏症
ビタミンAレチノール夜盲症、結膜乾燥症
ビタミンDカルシフェロールくる病、骨軟化症、骨粗鬆症
ビタミンEトコフェロール溶血性貧血
ビタミンKフィロキノン、メナキノン血液凝固障害、新生児メレナ
※脂溶性ビタミンは過剰症を引き起こす

水溶性ビタミンのゴロ”水BiCha(みずびちゃ)

水→水溶性ビタミン
Bi→ビタミンB群
Cha→ビタミンC

脂溶性ビタミンはゴロ”脂DAKE(あぶらだけ)
脂→脂溶性ビタミン
D→ビタミンD
A→ビタミンA
K→ビタミンK
E→ビタミンE

第70回 PM37 過剰症を起こすビタミンはどれか。2 つ選べ。

1.チアミン
2.レチノール
3.リボフラビン
4.アスコルビン酸
5.カルシフェロール

解答:

1のチアミンはビタミンB₁、2のレチノールはビタミンA、3のリボフラビンはビタミンB₂、4のアスコルビン酸はビタミンC、5のカルシフェロールはビタミンDの化学名です。1、3、4は水溶性ビタミンであり、2、5は脂溶性ビタミンです。過剰症を起こすのは脂溶性ビタミンであるため、解答は2と5です。

水溶性ビタミン化学名欠乏症
ビタミンB₁チアミン脚気、Wernicke脳症
ビタミンB₂リボフラビン口角炎
ビタミンB₃ニコチン酸、ナイアシンペラグラ
ビタミンB₅パントテン酸皮膚炎
ビタミンB₆ピリドキシン、ピリドキサル皮膚炎
ビタミンB₉葉酸巨赤芽球性貧血
ビタミンB₁₂コバラミン巨赤芽球性貧血(悪性貧血)
ビタミンCアスコルビン酸壊血病
脂溶性ビタミン化学名欠乏症
ビタミンAレチノール夜盲症、結膜乾燥症
ビタミンDカルシフェロールくる病、骨軟化症、骨粗鬆症
ビタミンEトコフェロール溶血性貧血
ビタミンKフィロキノン、メナキノン血液凝固障害、新生児メレナ
※脂溶性ビタミンは過剰症を引き起こす

水溶性ビタミンのゴロ”水BiCha(みずびちゃ)

水→水溶性ビタミン
Bi→ビタミンB群
Cha→ビタミンC

脂溶性ビタミンはゴロ”脂DAKE(あぶらだけ)
脂→脂溶性ビタミン
D→ビタミンD
A→ビタミンA
K→ビタミンK
E→ビタミンE

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