血中薬物濃度測定で検体に全血を使用する薬物【3回/10年】

臨床化学
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臨床検査技師の国家試験では血中薬物濃度測定で検体に全血を使用する薬物についての問題が過去10年間で3回出題されています。(「血球への移行率が高い薬物はどれか。」=「全血を用いる薬物はどれか」と解釈して解ける問題もカウントしています。)

血中薬物濃度モニタリング〈TDM〉の対象となる薬物の選択肢の中から血中薬物濃度測定で検体に全血を使用する薬物を選択する問題です。

第71回臨床検査技師国家試験を受験する方には是非得点してほしい頻出問題です。

シクロスポリン、タクロリムスは全血で測定する!

国試でよく問われる血中薬物濃度モニタリング〈TDM〉の対象となる薬物は下記の通りです。
その中でも全血で測定するのはシクロスポリンタクロリムスです。

分類TDM対象薬物
アミノ配糖体抗菌薬・ゲンタマイシン
グリコペプチド系抗菌薬・バンコマイシン
・テイコプラニン
免疫抑制薬シクロスポリン(全血)
タクロリムス(全血)
抗悪性腫瘍薬・メトトレキサート
抗てんかん薬・フェニトイン
・フェノバルビタール
・バルプロ酸
強心配糖体・ジゴキシン
抗不整脈薬・プロカインアミド
テオフィリン製剤・テオフィリン
リチウム製剤・リチウム
※シクロスポリン、タクロリムスは血球への移行率が高く、薬物が血漿から血球へ移行してしまうため全血を用いて測定する。

過去問を解いてみよう!

では実際に過去10年分の国家試験(第61~70回臨床検査技師国家試験)からについて出題された問題を3問解いてみよう!

出典:厚生労働省ホームページ
第61回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp150511-05.html
第64回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp180511-07.html
第70回臨床検査技師国家試験問題および正答についてhttps://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html

血中薬物濃度測定で検体に全血を使用するのはどれか。【合計3問】

1 / 3

第61回 PM39 全血を測定試料とするのはどれか。

2 / 3

第64回 AM41 血球への移行率が高い薬物はどれか。

3 / 3

第70回 PM36 血中薬物濃度測定で検体に全血を用いるのはどれか。 2 つ選べ。

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問題が解き終わったら下の解答・解説を読んで理解を深めよう!

もし1問でも間違えてしまったら全問正解出来るまで何度でもチャレンジしよう!

過去問の解答・解説

第61回 PM39 全血を測定試料とするのはどれか。

1.ジゴキシン
2.タクロリムス
3.テオフィリン
4.ゲンタマイシン
5.フェノバルビタール

解答:

解答は2のタクロリムスです。1のジゴキシン、3のテオフィリン、4のゲンタマイシン、5のフェノバルビタールは全血を用いて測定しないので誤りです。

分類TDM対象薬物
アミノ配糖体抗菌薬ゲンタマイシン
グリコペプチド系抗菌薬・バンコマイシン
・テイコプラニン
免疫抑制薬シクロスポリン(全血)
タクロリムス(全血)
抗悪性腫瘍薬・メトトレキサート
抗てんかん薬・フェニトイン
フェノバルビタール
・バルプロ酸
強心配糖体ジゴキシン
抗不整脈薬・プロカインアミド
テオフィリン製剤テオフィリン
リチウム製剤・リチウム
※シクロスポリン、タクロリムスは血球への移行率が高く、薬物が血漿から血球へ移行してしまうため全血を用いて測定する。

第64回 AM41 血球への移行率が高い薬物はどれか。

1.ジゴキシン
2.バルプロ酸
3.タクロリムス
4.テオフィリン
5.バンコマイシン

解答:

この問題は「血球への移行率が高い薬物はどれか。」=「全血を用いる薬物はどれか」と置き換えて考えましょう。よって、解答は3のタクロリムスです。タクロリムスは血球への移行率が高く、薬物が血漿から血球へ移行してしまうことから全血を用いて測定します。1のジゴキシン、2バルプロ酸、4のテオフィリン、5のバンコマイシンは全血を用いて測定しないので誤りです。

分類TDM対象薬物
アミノ配糖体抗菌薬・ゲンタマイシン
グリコペプチド系抗菌薬バンコマイシン
・テイコプラニン
免疫抑制薬シクロスポリン(全血)
タクロリムス(全血)
抗悪性腫瘍薬・メトトレキサート
抗てんかん薬・フェニトイン
・フェノバルビタール
バルプロ酸
強心配糖体ジゴキシン
抗不整脈薬・プロカインアミド
テオフィリン製剤テオフィリン
リチウム製剤・リチウム
※シクロスポリン、タクロリムスは血球への移行率が高く、薬物が血漿から血球へ移行してしまうため全血を用いて測定する。

第70回 PM36 血中薬物濃度測定で検体に全血を用いるのはどれか。 2 つ選べ。

1.ジゴキシン
2.タクロリムス
3.シクロスポリン
4.メトトレキサート
5.フェノバルビタール

解答:

解答は2のタクロリムスと3のシクロスポリンです。1のジゴキシン、4のメトトレキサート、5のフェノバルビタールは全血を用いて測定しないので誤りです。

分類TDM対象薬物
アミノ配糖体抗菌薬・ゲンタマイシン
グリコペプチド系抗菌薬・バンコマイシン
・テイコプラニン
免疫抑制薬シクロスポリン(全血)
タクロリムス(全血)
抗悪性腫瘍薬メトトレキサート
抗てんかん薬・フェニトイン
フェノバルビタール
・バルプロ酸
強心配糖体ジゴキシン
抗不整脈薬・プロカインアミド
テオフィリン製剤・テオフィリン
リチウム製剤・リチウム
※シクロスポリン、タクロリムスは血球への移行率が高く、薬物が血漿から血球へ移行してしまうため全血を用いて測定する。
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